A Numerical Study on Intraseasonal Variations in Planetary Waves and Ozone Distribution in the Southern Hemisphere Stratosphere
書誌事項
- タイトル
- A Numerical Study on Intraseasonal Variations in Planetary Waves and Ozone Distribution in the Southern Hemisphere Stratosphere
- タイトル別名
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- 南半球のプラネタリ-波とオゾン分布の季節内変動に関する数値的研究
- 著者
- 牛丸, 真司
- 著者
- Ushimaru, Shinji
- 学位授与大学
- 名古屋大学
- 取得学位
- 博士(理学)
- 学位授与番号
- 乙第5023号
- 学位授与年月日
- 1996-06-04
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説明
南半球のオゾン全量はsubpolar maximumと呼ばれる中緯度に極大を持つ緯度分布をしており、その極大の位置は冬から春先への季節進行にともなって、しだいに高緯度へ移動する。また、冬期の南半球では、波数1のプラネタリー波が準周期的に増幅することが、その特徴的な現象として知られている。また、この波数1の増幅が東進する波数2のプラネタリー波との相互作用によって引き起こされてていることが、衛星データ解析によって示唆されている。しかし、プラネタリー波がsubpolar maximumの形成にどの程度の影響を及ぼしているのか、また、波数2の東進波との相互作用による波数1の増幅機構どのようになっているのか、などについては未解明のままである。本論文ではまず最初に、subpolar maximumの形成と春先における極方向への移動に対して、プラネタリー波の果たす基本的な役割を、簡単化した条件での数値実験の結果から議論する。次に、波数1の停滞波と波数2の東進波が共存する条件下で、現実的なオゾン全量の水平分布の変動がシミュレートされることを示し、最後に、波数2との相互作用で波数1のプラネタリー波が増幅するメカニズムについて明らかにすることを目的とする。過渡的な輸送過程および波と平均流の相互作用をシミュレートするために、経度方向に低次切断したセミスペクトルモデルが用いられる。プラネタリー波の増幅にともなうオゾン輸送の計算には、全球モデルを使用し、波数1の増幅のメカニズムの解析には半球モデルを使用する。プラネタリー波の増幅時のオゾン輸送を各月毎に計算した一連の数値実験で、プラネタリー波はsubpolar maximumの形成に対して次の様な役割を果たしていること明らかにされた。北半球では誘起された子午面循環は極域まで達し、冬期全体をとおして極域でのオゾンの増加に寄与しているのに対し、南半球のブラネタリー波の増幅は中緯度下部成層圏に下降流が集中するような子午面循環を誘起し、その結果として中緯度のオゾン量の増加に寄与している。冬から春先にかけて、中緯度の下降流域の極方向への移動にともなって、オゾンの増加域も高緯度へとシフトする。TEM理論および波動伝播論に基づく診断的な解析から、南半球と北半球の非対称な子午面循環は、波の伝播場の違いに起因していることが示された。南半球のプラネタリー波は、屈折率の極大線に沿って赤道に向かって伝播し、中緯度成層圏でEP fluxの収束場を形成するため、残差循環は極域まで達することができない。波数1の停滞波と波数2の東進波を共存させることで、観測される波数1の増幅とオゾン全量の水平分布の変動パターンがシミュレートされる。エネルギー論的な解析から、波数1の増幅は、波数1から平均流への運動エネルギー輸送の急激な減少によって引き起こされていることが示された。この減少は、波数1の低緯度向きの伝播が抑制されることに対応しており、波数1の増幅時には、ジェットの低緯度側の南北シアーの強まりによって、中緯度に屈折率の負の領域が出現し、高緯度に導波管が形成される。波数1と波数2の相互作用は、増幅時には波数1の南北位相勾配を減少させ低緯度伝播を抑える役割を果たし、減衰時には逆に、位相勾配を強め波数1の低緯度への伝播を促進する。これらの波と平均流、波と波の相互作用の効果が複合して、波数1の周期的な増幅を引き起こしている。この力学的メカニズムにより、オゾン輸送がより現実的にシミュレートできた。
目次
Abstract
Contents
1 Introduction
1.1 Planetary waves in the stratosphere
1.2 Interhemispheric asymmetry in column ozone content
1.3 Quasi-periodic variation of total ozone in SH midlatitude
1.4 Amplification of planetary wave with wavenumber 1 in SH
1.5 Subject and purpose
2 Model description
2.1 Governing equations
2.2 Disipative processes
2.3 Spectral transform
2.4 Grid system and time integration
3 Interhemispheric asymmetry of the total ozone
3.1 Configuration of experiments
3.2 Dependency on initial zonal-mean wind
3.3 Diagnosis of the residual circulation
3.4 Ozone variation for different wave forcing
3.5 Summary and discussion
4 Effects of traveling wave 2 in ozone distribution
4.1 Configuration of experiments
4.2 Results and discussion
5 Mechanism of wave 1 amplification due to traveling wave 2
5.1 Amplitude variation
5.2 Analysis of energy and enstrophy budget
5.3 Mechanism of wave 1 amplification
5.4 Role of wave-wave interaction
5.5 Summary and discussion
6 Conclusions
Acknowledgements
APPENDIX
A List of Symbols
B Wave-wave interaction terms
C Relationship between residual circulation and material circulation
D Energy conversion terms
E Effects of the wave 1-wave 2 interaction on wave 1
A Numerical Study of the Interaction between Stationary Rossby Waves and Eastward-Traveling Waves in the Southern Hemisphere Stratosphere
The Role of Planetary Waves in the Formation of Inter-Hemispheric Asymmetry in Ozone Distribution
Characteristics of Internal Inertial Gravity Waves and Inertial Waves in the Lower Stratosphere Observed by the MU Radar
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1910865335667987328
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- NII論文ID
- 500001221596
- 500001593652
- 500000138768
- 500001765177
- 500000607789
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- DOI
- 10.11501/3117893
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- HANDLE
- 2237/11419
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- NDL書誌ID
- 000000303082
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ