高度救命救急センターに緊急転院搬送された10年間の産後出血症例の検討(Clinical characteristics of patients who were transferred to our tertiary care center for an emergency due to severe postpartum hemorrhage: a retrospective observational study)

Description

<jats:title>要旨</jats:title><jats:p><jats:bold>【目的】</jats:bold>産後出血は主に出産後に起きる大量出血で,母体救命のため高次医療機関や複数診療科を含めた迅速な対応が必要である。今後の周産期救急医療の治療戦略に活かすことを目的とし,産後出血患者の臨床的特徴および転帰を検討した。<jats:bold>【対象】</jats:bold>2010年1月から2019年12月までに当院高度救命救急センターに緊急転院搬送された18歳以上の産後出血患者を対象として後方視的に検討した。<jats:bold>【結果】</jats:bold>本研究の基準を満たした患者は273名であり,原因疾患は最多が弛緩出血(63%),次いで胎盤卵膜遺残(19.8%),腟壁血腫(8.8%),帝王切開術後出血(4%),子宮内反症(2.9%),その他であった。当院到着時のショックインデックス≧1.0の患者は85名(31.1%)で,産科危機的出血該当例は103例(37.7%)であった。経カテーテル動脈塞栓術(以下TAE)施行例が149例(54.7%),緊急外科的治療介入例が44例(16.1%),子宮摘出術施行例が8例(2.9%)であった。人工呼吸管理24例,死亡1例,明らかな妊孕性喪失11例であった。<jats:bold>【結語】</jats:bold>本研究では当救命救急センターが県内の重症産後出血症例を集約させ,産科医や放射線科医と救急医が協働して,積極的な早期輸血戦略やTAEを行うことで良好な治療転帰が得られていたことを示した。</jats:p>

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