A case of epigastralgia due to dissection of celiac artery

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  • 心窩部痛の原因が腹腔動脈の解離であった1例

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症例は, 44歳, 男性. 20歳時に高血圧を指摘されたが, 未治療であった. 2011年5月下旬, 夕方から安静時の心窩部痛が出現. 近医を受診し胃潰瘍疑いで緊急内視鏡を施行したが異常所見は認めなかった. その際施行した腹部造影CTで, 腹腔動脈瘤を疑い, 精査目的で当院紹介となった. 来院時には心窩部痛は消失していた. 血圧は左右差なく, 160/90mmHgであった. 身体所見上も特記すべきことなく, 血液検査では脂質異常症のみであった. 心電図は左室肥大型であった. 胸部X線, 心臓超音波検査でも特に異常は認めなかった. 動脈瘤の精査として施行した造影MRAでは瘤ではなく腹腔動脈起始部に狭窄を認めた. また, 腹部血管エコーでは腹腔動脈の遠位側の血流は270cm/秒であり加速血流を認めた. 前医で撮影した造影腹部CTでも腹腔動脈解離を認めていた. 以上から, 腹腔動脈解離の診断となり, 抗血小板薬とカルシウム拮抗薬を開始し退院外来にて経過観察とした. 腹腔動脈の単独解離は非常に稀である. 治療ガイドラインはないが, 長期にわたる経過観察を必要とする. 経過観察の手段としては腹部血管エコーがよく, 治療は解離が進む分枝により異なると考えた.

Journal

  • Shinzo

    Shinzo 45 (3), 283-286, 2013

    Japan Heart Foundation

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