左心房ルーフライン伝導ブロック作成予測因子の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Predictors of the creation of complete conduction block of left atrial roof line

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説明

背景·目的: 持続性心房細動のカテーテルアブレーションでは, しばしば両上肺静脈間を線状に焼灼する左心房ルーフラインアブレーションが肺静脈隔離に追加して行われる. しかし, 伝導ブロックを作成することは容易ではなく, 伝導ギャップが心房頻拍など再発性不整脈の原因となることもある. 本研究の目的は, 左心房ルーフラインアブレーションによる伝導ブロック成功の予測因子につき検討することである.<BR>方法: 持続性心房細動に対して, 8mmチップ電極カテーテルを用いてカテーテルアブレーション(肺静脈隔離ならびに左心房ルーフラインアブレーション)を施行した71症例を対象とした. 対象をルーフライン伝導ブロックが成功または不成功であった2群に分け, 各群において, (1)年齢, (2)性別, (3)心房細動持続期間, (4)左心房径, (5)左室駆出率と, (6)ルーフライン長, (7)左心房ルーフ形状の7項目について比較検討を行った. 左心房ルーフ形状は肺静脈·左心房造影により評価し, 平坦型と凹面型の2群に分類した.<BR>結果: 検討した7項目のうち, ルーフラインブロック成功, 不成功の2群間で左心房ルーフ形状のみに統計学的有意差を認めた. 平坦型群では84%がルーフライン伝導ブロック成功であったのに対し, 凹面型群では60%であった(p=0.027).<BR>結語: 左心房ルーフ形状はルーフラインの伝導ブロック作成の予測因子であり, 左心房ルーフ形状の把握は, ルーフラインアブレーションの適応の判断に有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 43 (11), 1418-1424, 2011

    公益財団法人 日本心臓財団

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