超急性期にのみJ wave・fragmented QRSが出現し心室細動・心臓死をきたしたたこつぼ心筋症の1例

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抄録

<p> 症例は60歳代女性. 朝8時に自宅でうめき声を発し心肺停止状態となった. 救急隊到着時心室細動 (VF) であり, AED施行するが除細動されなかった. 当院到着後PCPSを装着し自己心拍が再開した. 心電図ではⅡ/Ⅲ/aVFでfQRSを認めた. 緊急心臓カテーテル検査を施行. 冠動脈造影・左室造影でたこつぼ心筋症と診断した. 循環動態は安定し同日PCPS離脱. 低体温療法を開始したが, 入院翌日直腸温34.7°Cの時点でV4-6のJwaveの出現・増大と, それに引き続くVFを認めた. VF・除細動を反復したが翌日には生じなくなり, J waveは消失しfQRSも減弱していた. 意識回復は不良であり気管切開施行. 入院第28病日心室調律となり心室細動に移行. 同日永眠された. たこつぼ心筋症においては心室性不整脈・心臓死をきたす症例も少なくない. 超急性期のみに出現するJ wave・fQRSの診断価値を含めて報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 48 (SUPPL.1), S1_97-S1_97, 2016

    公益財団法人 日本心臓財団

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