細動波周期長を用いた発作性心房細動と持続性心房細動の判別

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タイトル別名
  • Determination of persistent and paroxysmal atrial fibrillation using the fibrillation cycle length

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説明

背景 : 発作性心房細動と持続性心房細動は, 初期治療が異なる場合が多いにもかかわらず, 初発心房細動においてはその判別は難しい. 一般にリモデリングの進行した持続性心房細動では体表面心電図の心房細動波が相対的に微細 (fine) になることが知られているが定量的ではない. 今回, われわれは, 細動波の周波数解析によって求めた細動周期長 (fibril-lation cycle length ; FCL) を含め, 種々の臨床的指標から発作性と持続性の判別方法を検討した.  方法と結果 : 対象は2009.2011年に心電図で心房細動が確認された初発心房細動378例. これらは引き続く臨床経過から, 発作性 vs持続性が103 vs 275であることが明らかとなっている. 平均年齢は67.8歳. 細動波は既報のごとく周波数解析を行い, 最大パワーの逆数をFCLと定義した. 臨床背景に関して心拍数, 性差, 左房径, 弁膜症, 高血圧症, FCLで差を認めた. また, ROC曲線を用いてFCLによる発作性と持続性の判別を検討したところ, FCL 160 msを指標とすることで感度 70%, 特異度61%で判別可能であった.  結語 : 心房細動症例においてFCL計測が, 心房細動の臨床病型を判別する定量的手段となる可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 45 (SUPPL.3), S3_47-S3_52, 2013

    公益財団法人 日本心臓財団

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