新たに開発したthorough QT計測用シミュレーターの有用性と問題点

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説明

[目的] 新薬開発に伴うthorough QT評価のためのpositive controlの代用に,新たに開発したQT計測モデルが有用か否かを検討すること,および問題点を明らかにすること.<BR>[方法] 健常者37名の12誘導心電図をQT計測ソフトQTD-2で解析した.さらに第II誘導の平均波形を対象とし,新たに開発した12誘導T波シミュレーター機能を用い,QT間隔を設定値から5ms単位ずつ延長させ,微分法および接線法による自動解析で微小なQT延長を評価し得るか否かについて検討した.なお,QT間隔の可変部位はS波のendからT波のendまで,(SE-TE)およびT波のpeakからT波のendまで,(TP-TE)とした.<BR>[成績] QT(SE-TE)を+5msから5msずつ+20msまで延長した場合,加工前後での設定値との差分は微分法で3.2±1.8ms,接線法で4.1±1.6msであった.一方,QT(TP-TE)を+5msから5msずつ+20msまで延長した場合,加工前後での設定値との差分は微分法で3.8±1.5ms,接線法で4.8±1.7msであった.<BR>[結論] 今回開発したQT計測モデルは微小なQT延長を評価できる精度を有し,今後,thorough QT評価でのpositive controlの代用に使用できる可能性があるが,さらなる精度の向上が必要である.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 44 (SUPPL.1), S1_9-S1_9, 2012

    公益財団法人 日本心臓財団

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