ステロイド治療にてFDG-PETでの心筋集積が消失した心サルコイドーシスの3例

DOI
  • 石丸 伸司
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 心臓内科
  • 川崎 まり子
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 心臓内科
  • 柿木 梨沙
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 心臓内科
  • 多羽田 雅樹
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 臨床工学科
  • 服部 淳夫
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 病理診断科
  • 管家 鉄平
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 心臓内科
  • 五十嵐 正
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 心臓内科
  • 岡林 宏明
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 心臓内科
  • 古谷 純吾
    独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院心臓血管センター 心臓内科

書誌事項

タイトル別名
  • A report of three cases;Improvement of cardiac uptake on FDG-PET with steroid therapy

この論文をさがす

抄録

<p> FDG-PETは障害心筋にグルコースが取り込まれることを利用し,心筋の炎症を画像上に反映するモダリティである.空間分解能が高く,心サルコイドーシスの診断に対する感度,特異度は従来診断基準の1つとして用いられてきたGaシンチグラムをはるかに超えると報告されており,現在の診断基準ではGaシンチグラムと同列に記載されている.今回われわれはFDG-PET上心筋集積を認めた心サルコイドーシスに対し副腎皮質ステロイド治療を行い,集積が消失した3例を経験した.</p><p> 症例1は心室頻拍で救急搬送,症例2は胃生検でサルコイドーシスと診断,症例3は心臓超音波検査で心室中隔の菲薄化を指摘され,全例PETにて心集積を指摘され副腎皮質ステロイドを開始,漸減した.治療開始後全症例において心筋集積の消失が認められた.活動性病変の鎮静化が得られたと考えられ,治療効果判定にもFDG-PETが有効であったと推察された.一方,心病変に対してはステロイドの少量継続投与が標準的治療として推奨されているが,明らかな予後改善のエビデンスはない.ステロイドは副作用も多い薬剤である.FDG-PETは心病変の診断および治療効果判定に有用であり,FDG-PETと慎重な外来フォローによりステロイドが中止できる症例が存在する可能性があるのではないかと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 49 (5), 464-472, 2017-05-15

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ