心室細動の原因判別が難渋した1例

Search this article

Description

症例 : 61歳, 男性.  主訴 : 意識消失, 心肺停止.  現病歴 : 特記すべき既往歴なし, 早朝に胸部不快を自覚した後, 意識消失, 脈拍不触知となった. 救急隊到着後AEDにて2回除細動を施行したが自己心拍は再開せず, 近医搬送された. 同院にて心拍再開後, 精査加療目的に当院搬送となった. 解析されたAED波形はTdpから心室細動に移行していた.  入院後経過 : 入院時JCSI-2, 心電図では前胸部誘導にてST低下, 陰性T波, QTc460msec, 心エコーでは前壁に壁運動低下を認めた. 緊急冠動脈造影では有意狭窄を認めなかったが, 後日アセチルコリン負荷試験を施行したところ高位側壁枝の完全閉塞を認めた. また, エピネフリン負荷ではQTの延長が認められ, 潜在性LQT延長症候群 (LQT) が疑れた. 後日ICDの埋め込みを施行した.  考察 : 冠攣縮性狭心症から心室細動へ移行した可能性を推測したが, LQTの関与も否定できないと思われた.

Journal

  • Shinzo

    Shinzo 41 (SUPPL.3), S3_101-S3_101, 2009

    Japan Heart Foundation

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top