わが国の生活習慣病患者意識調査における生活習慣病治療の現状と課題

  • 篠山 重威
    同志社大学生命医科学部, 医療法人大寿会病院
  • 藤田 正俊
    京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Current status and future perspectives on the treatment of lifestyle-related disease in Japan: results of a questionnaire survey for patients

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説明

心血管疾患の予防に向けた生活習慣病のより適切な治療を実現するには, 医師と患者がよく意思を通わせ, 共通の認識をもって治療に臨むことが必要である. そこで, 医療従事者によるさまざまな患者啓発の取り組みが患者にどの程度浸透し, 患者が医療従事者に対し, どのような要望を持っているかを調べるため, 全国の医療機関を通じてアンケート調査を実施した. 3,578例の回答を集計した結果, 生活習慣病患者の多くは自分自身の検査値を認知していたが, 自分自身の治療目標値を知らない患者が2~4割いることが明らかになった. また, 生活習慣改善の重要性を理解している一方で, その実現の難しさを自覚していた. 現在の治療に満足している患者は6割未満で, 患者は一般的な服薬指導や疾患の説明より, 自分に特化された個別の説明を望んでいた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 43 (10), 1310-1318, 2011

    公益財団法人 日本心臓財団

被引用文献 (1)*注記

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