心内膜側高周波カテーテルアブレーションと化学的アブレーションの併用治療が奏功した急性冠症候群治療後薬剤抵抗性心室細動の1例

DOI
  • 佐藤 陽子
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 村越 伸行
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 関口 幸夫
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 夛田 浩
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 佐藤 明
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 山崎 浩
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 有本 貴範
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 久賀 圭祐
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科
  • 青沼 和隆
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Combination therapy with endocardial radiofrequency catheter ablation and chemical ablation in a patient with electrical storm after acute coronary syndrome

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説明

症例は56歳, 男性. 糖尿病性腎症にて維持透析を受けており, 経皮的冠動脈形成術の既往がある. 透析後ショックとなり, 急性冠症候群が疑われ冠動脈造影(coronary angiography; CAG)で重症2枝病変を認め, 緊急冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting; CABG)が施行された. 術後心室期外収縮(premature ventricular contraction; PVC)をトリガーとする薬剤抵抗性の心室頻拍(ventricular tachycardia; VT)・心室細動(ventricular fibrillation; VF)が出現し, トリガーとなるPVCをターゲットとして心内膜側より高周波カテーテルアブレーションを施行した. しかし異なるPVCをトリガーとするVT/VFが再発したため, PVCやVTの起源が心筋層内に存在する可能性を考え化学的アブレーションを行った. パーフェクトペースマップの得られた部位を灌流する責任冠動脈を同定し, 灌流型カテーテルを用い50%エタノールを緩徐に注入した. 注入開始後よりPVCは減少し, イソプロテレノール静注下のいかなる刺激でもVT/VFは誘発されなくなった. 急性冠症候群後に発生した薬剤治療抵抗性心室細動に対して高周波カテーテルアブレーションと化学的アブレーションの併用治療が奏功した1例を報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 42 (7), 889-896, 2010

    公益財団法人 日本心臓財団

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