Torsades de pointesを繰り返したアルコール性心筋症によるQT延長症候群の1例

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タイトル別名
  • A case of long QT syndrome with torsades de pointes storm caused by alcoholic cardiomyopathy

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説明

<p> 症例は55歳, 男性. アルコール依存症. 平成26年6月上旬にうっ血性心不全となり入院したが, torsades de pointes (以下TdP) stormとなった. 心電図ではQT延長, R on T型の心室期外収縮を認め, 心エコーでは左室駆出率25%と心機能が低下していた. 冠動脈は有意狭窄を認めなかった. アルコール離脱症状にて不穏が強く, 人工呼吸器管理下の鎮静, 薬剤, 一時的ペーシングなどで徐々に安定した. その後, 心電図や心機能も改善し, 退院となった.</p><p> 本症例は, 純アルコール換算で, 1日に110g~160gの飲酒を15年間続けており, アルコール依存によるQT延長がTdP stormの原因と考えられた. 心筋病理では, 特発性拡張型心筋症に類似した所見が見られ, 断酒後に心機能が改善していることからアルコール性心筋症と診断した. TdPを繰り返した, アルコール性心筋症によるQT延長症候群の1例を経験したため報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 47 (SUPPL.1), S1_26-S1_31, 2015

    公益財団法人 日本心臓財団

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