表面プラズモン共鳴センサーを用いるグリコアルブミンの定量

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タイトル別名
  • Determination of glycosylated albumin using surface plasmon resonance sensor
  • ヒョウメン プラズモン キョウメイ センサー オ モチイル グリコアルブミン ノ テイリョウ

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抄録

SPRセンサーを用いてボロン酸との結合を利用したグリコアルブミンの定量を行った.非特異吸着の少ないセンサーチップを開発するため,5種類の異なるチオール化合物を用いて金薄膜ベースのセンサーチップ上に自己組織化膜(SAM)を形成させることにより,チップ表面に化学修飾を施した.それぞれのチップについてタンパク質の非特異吸着量を調べたところ,エチレングリコール(EG)末端を有するSAM膜をもつセンサーチップが,タンパク質の非特異吸着を最も抑えられることを確認した.このセンサーチップは,血清中での等電点が異なるタンパク質や,分子量の異なる主タンパク質に対しても非特異吸着を抑制できることが分かった.この結果に基づき,カルボキシル末端を有するチオール分子とEGを有するチオール分子の混合比を最適化したSAM膜を作製し,非特異吸着を抑制しながらセンシング分子を固定化できるSPRセンサーチップを開発した.ここではジオール化合物の定量を目的として,混合SAM膜をベースとするセンサーチップ上にアミノフェニルボロン酸をアミド結合で固定化させた.このセンサーチップを用いて,糖タンパク質であるグリコアルブミン(GA)の定量を行ったところ,GA量7.5~20%(全アルブミン量)の範囲での定量が可能であった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 52 (5), 311-317, 2003

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (66)*注記

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