β‐ジケトンと1,10‐フェナントロリンによるユウロピウム(III)の抽出効率に与える溶媒のルイス酸としての強さの効果

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タイトル別名
  • Effects of the Lewis acidity of organic solvents on the extractability of europium (III) with .BETA.-diketone and 1,10-phenanthroline.
  • β-ジケトンと1,10-フェナントロリンによるユウロピウム(III)の抽出効率に与える溶媒のルイス酸としての強さの効果
  • ベータ ジケトン ト 1 10 フェナントロリン ニ ヨル ユウロピウム 3 ノ チュウシュツ コウリツ ニ アタエル ヨウバイ ノ ルイスサン ト シテ ノ ツヨサ ノ コウカ

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抄録

抽出効率に与える溶媒のルイス酸性度の影響を詳細に調べる目的で, ピバロイルトリフルオロアセトン (PTA, HA) によるジクロロメタン, クロロホルム及びペンタクロロエタンへのユウロピウム (III) の抽出を1,10-フェナントロリン (phen, B) の共存下及び非共存下で調べ, 更に抽出種の水和数をカールフィッシャー法, phenと溶媒の相互作用を赤外分光法を用いて調べた. 有機溶媒中でphenはPTAキレートに配位した水分子と置換し, phen錯体を生成する: EuA3n0H2O(o)+B(o)EuA3・B(o)+n0H2O(o). その平衡定数 (K) は, 溶媒-溶質相互作用が付加錯体生成に影響しない限り一定値を示すが, 上記の溶媒ではKの値は, CH2Cl2>CHCl3>C2HCl5の順に小さくなった. これらの溶媒の赤外吸収スペクトルは, CCl4中で, C2HCl5は2987cm-1に, CHCl3は3019cm-1に, CH2Cl2は3049cm-1と2984cm-1にC-H伸縮によるピークを示したが, phenが共存すると, ピークはC2HCl5では2919cm-1に, CHCl3では2967cm-1にシフトし, CH2Cl2では変化しなかった. このピークの低波数シフトの大きさの順, CH2Cl2<CHCl3<C2HCl5に強いルイス酸として作用すると考えると, Kの値の違いをよく説明できる.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 51 (9), 715-720, 2002

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (21)*注記

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