エオシン及びキニーネ共存下での相乗抽出効果を利用するセチルピリジニウム塩の高感度吸光光度法

書誌事項

タイトル別名
  • Highly Sensitive Spectrophotometric Determination of Cetylpyridinium Salt Using a Synergistic Extraction Effect in the Presence of Eosin and Quinine.
  • エオシン オヨビ キニーネ キョウゾン カ デ ノ ソウジョウ チュウシュツ コウカ オ リヨウ スル セチルピリジニウムエン ノ コウカンド キュウコウ コウドホウ

この論文をさがす

抄録

塩化セチルピリジニウム(CPC)はエオシン(EOS)と1:2会合体を形成するが,検量線は原点を通らず,検量線の直線範囲は低濃度と高濃度領域で異なり,定量範囲が限定される.しかし,EOSと付加錯体を形成するキニーネ(QN)を共存させたイオン会合系に微量のCPCが加えられるとEOS-QN-CPC(1:1:1)三元イオン会合体が形成される.このイオン会合系においてはQN共存による相乗抽出効果が発現し,CPCの抽出性が高まるとともに検量線の直線範囲は拡大し,CPCに対しては2.5×10-7 M~1.5×10-6 Mの広い範囲で良好な直線関係が得られた.従来法の1:2会合体による検量線では1.0×10-6 M程度が定量限界であったが,本法では染料固有の大きなモル吸光係数は維持され,10-7 MオーダーのCPCの分析が可能となった.しかも酸性領域で形成される1:1会合体形成による定量法と比べ選択性もあり,実用分析として有用であることが明らかとなった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 52 (1), 21-26, 2003

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (32)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ