しろかき期の強制落水による懸濁物,窒素とリンの流出―圃場における流出実験―

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タイトル別名
  • The runoff of suspended, substances, nitrogen, and phosphorus by enforced draining during the ploughing season Experiments in paddy fields
  • シロカキ キ ノ キョウセイ ラクスイ ニ ヨル ケンダクブツ チッソ ト リン ノ リュウシュツ ホジョウ ニ オケル リュウシュツ ジッケン
  • ―圃場における流出実験―

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抄録

しろかき期において強制落水を行ったときに水田から流出する懸濁物 (SS), 窒素, リンの量を圃場 (30×100m) における流出実験から見積もった。強制落水における総流出量は, 水位の減少の小さい圃場 (8mm, 水田A) ではSSが33kg, 全窒素が85g, 全リンが46g, 水位の減少が大きい圃場 (72mm, 水田B) ではSSが110kg, 全窒素が589g, 全リンが146gであった。水深が深い圃場からのリンの流出が特に大きいことが明らかになった。さらに, 強制落水による排水のN/P(モル比)は, それぞれ4.1 (水田A), 8.8 (水田B) であった。植物プランクトンのN/Pが16であることを考えると, 強制落水は特にリンを高い効率で流出させることがわかった。琵琶湖へのリンの供給は富栄養化の促進の点から望ましくなく, 水田の粗放的水管理の改善が今後の琵琶湖の水質を考える上で重要であることが指摘された。

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参考文献 (30)*注記

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