北海道北見国藻琴沼の湖沼学的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Limnolgoical observations of a small brackish lake, Mokoto-numa in Hokkaido

説明

北見海岸の気水湖藻琴沼の理化學的諸性質を述べた。<BR>1. 本湖は深度5.7mの單純な小湖盆を持つに過ぎぬが侵入海水が長期に亙つて湖底に停滯し,表面は殆んど淡水で深部は周年海水に近く無氣層を生じてゐる。<BR>2. 沿岸部にはアマモ層植物の顯著な垂直分布が見られ深底部は漆黒の腐泥に覆はれてゐる。<BR>3. 夜光蟲を主とするプランクトンの饒産に依り透明度は常に甚だ低い。<BR>4. 顯著な鹹度の分布は他の理化學的性質に最大の影響を及ぽしてゐる。<BR>5. 淺層に於けるpil,O2等の時間的變化は甚だ大きいが3m以深では一定し,pHの逆轉は認められない。<BR>6. 無氣層は夏季停滯期には2.5m冬季停滯期には1m程の厚さを有し,常にH2Sを含んでゐる。<BR>7. 静穩な日には表面の鹹度分布は甚だ規則的である。<BR>8. 夏季完全停滯期の成層では3m以深が深水層,以淺は殆ど表面迄變水層の性質を示す。但し水温の成層はそれ程明瞭ではない。<BR>9. 湖水は緩漫循環をなし,平年は冬期一囘の全循環を行ふWHIPPLEの第2類に屬し,年により終年停滯層を持つ事もあると考へられる。<BR>10. 標式は富營養型の硫化物榮養相に當る。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204061367424
  • NII論文ID
    130003644059
  • DOI
    10.3739/rikusui.12.1
  • ISSN
    18824897
    00215104
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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