関東地方の3水域に生息する魚類へのマツカサガイ幼生の寄生状況と,ジュズカケハゼ類からの変態稚貝の出現

書誌事項

タイトル別名
  • A new record of host fish <i>Gymnogobius</i> sp. for glochidia of <i>Pronodularia japanensis</i>, and the availability of host species for the mussel at three paddy field ditches in the Kanto area of Central Japan
  • カントウ チホウ ノ 3 スイイキ ニ セイソク スル ギョルイ エ ノ マツカサガイヨウセイ ノ キセイ ジョウキョウ ト,ジュズカケハゼルイ カラ ノ ヘンタイチガイ ノ シュツゲン

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抄録

<p> 群馬県藤岡市の旧笹川と岡之郷用水,埼玉県川島町の長楽用水に生息するマツカサガイについて,その幼生が寄生利用している魚種を調べた。各水域で魚類を採集して個体数を計数するとともに,各魚種に対するマツカサガイ幼生の寄生数を魚の部位別,被嚢の有無別に計数した。さらに,岡之郷用水で採集したジュズカケハゼ類を水槽(水量6 L,水温24~27℃)で10日間飼育し,魚体から離脱する幼生や稚貝の有無を確認した。<br> 採集された各魚種に対するマツカサガイ幼生の寄生率や寄生数,被嚢率は,水域や魚種,寄生部位によって違いが見られた。幼生は,旧笹川と岡之郷用水においてはドジョウやオイカワ等を主とした限られた魚種にしか寄生していなかったが,長楽用水においてはオイカワやメダカ類,ヨシノボリ類,コイといった多様な魚種に寄生していた。<br> さらに,飼育に供したジュズカケハゼ類からは,変態を完了させたマツカサガイ稚貝が3個体離脱した。これらを試験管(水量30mL,水温約21℃)で飼育したところ,最長で62日間以上生存した。このことから,ジュズカケハゼ類がマツカサガイの宿主として機能することが判明した。<br> 以上の結果から,マツカサガイは,その生息水域によって利用する宿主の種類が異なり,宿主適合性も異なることが示唆された。</p>

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