愛知県豊川における瀬の物理特性と底生動物現存量

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タイトル別名
  • Physical characteristics and macroinvertebrate biomass of riffles in the Toyo River, Aichi Prefecture
  • アイチケン トヨカワ ニ オケル セ ノ ブツリ トクセイ ト テイセイ ドウブツ ゲンソンリョウ

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抄録

河川における瀬の物理特性と底生動物現存量の関係を理解するため,愛知県豊川において流程間(下流から平野部,峡谷部,山間部,山地部)で瀬の物理特性と底生動物群集の比較を行った。河床礫は山間部や山地部の地点で大きかったが,年最大流量で動きうる礫径に対する実際の河床礫径の比は平野部の地点で大きかった。一方,平水時の平均流速は峡谷部と山間部の地点で大きい傾向にあった。年間平均の全底生動物現存量は平野部で最も大きく,次いで山間部で大きかった。摂食機能群別に現存量をみると,付着物食者は平野部,濾過食者は平野部と山間部で大きい一方,捕食者は山間部と山地部で大きかった。底生動物を河床中の生息拠点と移動・固着性を基に河床生息型区分を行うと,平野部で多いのは礫面-固着巣型や礫下砂-固着巣型などいずれも安定した環境を好むグループ,一方,山間部と山地部で多いのは礫間-固着巣型,礫間-自由型など礫間の空隙を利用するグループであった。これらに基づき,底生動物現存量に貢献し群集を特徴づけている瀬の物理特性は,平野部では河床安定性,山間部では礫の大きさに伴う礫間空隙量と考えられた。

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