白樺湖における生物操作に伴う移入種オオクチバスの食性変化

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タイトル別名
  • Dietary changes in an introduced largemouth bass (<i>Micropterus salmoides</i>) with biomanipulation in Lake Shirakaba
  • シラカバコ ニ オケル セイブツ ソウサ ニ トモナウ イニュウシュ オオクチバス ノ ショクセイ ヘンカ

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抄録

外来種であるオオクチバスの食性は,在来の魚類やエビ類,水生昆虫に対する捕食影響と関連づけて報告されることが多い。しかし,これらの餌生物が減少した後のオオクチバスの食性変化に関する知見は少ない。長野県白樺湖では,2000年から水質浄化を目的とした生物操作(Biomanipulation)が実施され,それまでオオクチバスの主要な餌となっていた小型魚類(主にワカサギ)が激減した。2009年にオオクチバスの食性を再調査したところ,成魚の主餌が動物プランクトン(カブトミジンコやノロ)に変化していることが明らかとなった。個体成長に伴ってオオクチバスが動物プランクトンから魚類に食性をシフトすることはよく知られているが,成魚がプランクトン食に強い依存性を示すという報告は限定的である。本湖における生物操作前後の比較から,オオクチバスはプランクトン食魚の減少とそれに伴う動物プランクトンの増加に柔軟に対応して食性を変更した可能性が示唆された。

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