フィールドエミッションディスプレイ用カーボンナノ材料の研究開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Carbon Nanomaterials for Field Emission Displays
  • フィールドエミッションディスプレイヨウ カーボンナノ ザイリョウ ノ ケンキュウ カイハツ

この論文をさがす

抄録

実用商品に近いスピント型FEDの問題は, やはり, コストと大型化にあると思われる.この問題を解決するため, エミッタ材料へのカーボン材料の応用を提案してきた.当初, マイクロ波CVD法の利用を試みたが, 低温化と大面積化を目指し, 熱CVD法に行き着いた.未だスピント型FEDの画像レベルに追い着けないカーボン系FEDではあるが, 近い将来, FEDの問題点を解決し店頭で並ぶ姿を夢見ている.<BR>最後に, 我々が作製してきたナノチューブとナノファイバーの特徴をまとめておく.<BR>マイクロ波プラズマCVD法によるナノチューブ成膜法の特徴は, <BR>1) 原料ガスにはメタン/水素の混合ガスを用いる.<BR>2) 成膜時の圧力は266Paである.<BR>3) 成膜時の基板温度は650℃である.<BR>4) 成膜速度は1μm/min程度である.<BR>5) ガラス上の触媒金属ライン上にのみナノチューブを選択成長させることができる.<BR>6) ナノチューブを基板に垂直に成長させることができる.<BR>7) ナノチューブ先端に触媒金属が存在する.<BR>8) 大型基板の作製が困難である.<BR>熱CVD法によるナノファイバ成膜法の特徴を以下にまとめる.<BR>1) 原料ガスには一酸化炭素/水素の混合ガスを用いる.<BR>2) 成膜時の圧力は1気圧である.<BR>3) 成膜時の基板温度は500℃である.<BR>4) ガラス上の触媒金属ライン上にのみ選択成長させることができる.<BR>) 触媒金属はナノファイバの根本に存在する.<BR>6) A4サイズの大型基板の処理が可能である.<BR>7) さらに大型基板への応用が可能である.<BR>8) 電界2.0V/μmにおいて電流密度10mA/cm2と良好な電界電子放出特性を示す.

収録刊行物

  • 真空

    真空 45 (2), 70-74, 2002

    一般社団法人 日本真空学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ