中性子干渉をめぐる最近の話題と将来問題 : 吸収物干渉実験を中心に(進化の力学への場の理論的アプローチ,研究会報告)

書誌事項

タイトル別名
  • Recent topics and future problems on the neutron interference : Absorber interference experiment and others
  • 中性子干渉をめぐる最近の話題と将来問題--吸収物干渉実験を中心に
  • チュウセイシ カンショウ オ メグル サイキン ノ ワダイ ト ショウライ モ

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説明

中性子干渉実験が観測問題を含む量子力学の原理的問題の研究に極めて有用な手段を提供していることは,このワークショップでも議論されており,皆様ご承知の通りである.前回のワークショップの報告にも書いた通り,中性子は量子力学の原理的実験の素材としては非常に優れている.ここでは,まず最近行われた吸収物を挿入した場合の中性子干渉実験を取り上げよう.私達が特に興味を持つ点は,極めて小さな透過率に対しては,干渉項が簡単な量子力学的計算よりも小さくなるという現象である.まず,それが吸収物内のゆらぎの効果であることを示し,観測問題の立場からその実験の内容と意義を議論する.また,少し前に行われた実験だが,細切れにされた中性子パルスによる干渉実験も面白い.シュレディンガー波動関数の原理的内容を厳しく問う実験だからである.将来展望としては超冷中性ビームの利用がある.この種のビームが自由に使えるようになれば,多くの新しい原理的実験が可能になるだろう.この問題にもふれたい.

収録刊行物

  • 素粒子論研究

    素粒子論研究 82 (3), C54-C59, 1990

    素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部

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