診療参加型実習と卒後臨床研修における学習目標達成率の比較:卒前卒後の継続的な臨床教育についての研究

  • 山脇 正永
    東京医科歯科大学医学部臨床教育研修センター
  • 大川 淳
    東京医科歯科大学医学部臨床教育研修センター
  • 田中 雄二郎
    東京医科歯科大学医学部臨床教育研修センター

書誌事項

タイトル別名
  • Continuum of learning objectives from undergraduate clinical clerkship to postgraduate residency
  • シンリョウ サンカガタ ジッシュウ ト ソツ ゴ リンショウ ケンシュウ ニ オケル ガクシュウ モクヒョウ タッセイリツ ノ ヒカク ソツ ゼン ソツ ゴ ノ ケイゾクテキ ナ リンショウ キョウイク ニ ツイテ ノ ケンキュウ

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抄録

有効な医師育成制度の確立を目指して,卒前診療参加型臨床実習と医師臨床研修の学習目標の達成度を比較し,卒前及び卒後の臨床医学教育における学習目標を分析し卒前から卒後への医師育成のプログラム・モデルを考察する.<br>1) 本学診療参加型臨床実習学生87名の学習目標の学習状況について,当院1年目研修医57名のそれと比較した.評価は厚生労働省が示した医師臨床研修学習項目の行動目標(21項目)・経験目標(232項目)を用いた.<br>2) 学生の行動目標の達成率は医療の社会性を除き概ね良好であった.経験Aでは医療面接・OSCE項目の身体診察法,臨床検査,画像診断,医療記録がよく達成されていた.<br>3) 経験率80%以上の症候は,全身倦怠,食欲不振,体重増減,浮腫,発熱,呼吸困難,嘔気嘔吐,便通異常,疾患では,貧血,心不全,虚血性心疾患,不整脈,動脈疾患,高血圧,上部消化管であった.<br>4) 本研究では学生と研修医とで学習目標を共有することができる点,行動目標及び一部の経験目標については卒前の学習項目にできる点が明らかになり,一貫した卒前卒後教育に資すると考えた.

収録刊行物

  • 医学教育

    医学教育 40 (6), 399-410, 2009

    日本医学教育学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (17)*注記

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