身体運動における身体各部の貢献度のバイオメカニクス的分析法 : 垂直跳の踏切を例にして

書誌事項

タイトル別名
  • A Biomechanical Method for the Analysis of the Contribution of the Body Segments in Human Movement : With an Example of Vertical Jump Take-off
  • 身体運動における身体各部の貢献度のバイオメカニクス的分析法--垂直跳の踏切を例にして(資料)〔英文〕
  • シンタイ ウンドウ ニ オケル シンタイ カクブ ノ コウケンド ノ バイオメ

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説明

本研究は, 身体運動における身体各部の貢献度を分析するためのバイオメカニタス的方法を垂直跳の踏切を例に述べたものである. Force platform上で反動振込垂直跳を行っている被験者を16mm高速度カメラにより撮影した. フィルム分析より, 身体各部の重心位置, 部分重心の鉛直速度, 加速度を求め, それらに各部分質量を乗じて運動量, 各部分に作用するカおよびこれらの力学量の身体全体の値に対する各部分の割合などを求めた. 結果を要約すると, 次のようである. 1. 胴体 (頭部を含む) の鉛直方向のカや運動量は, 両腕や両脚よりもかなり大きかった. しかし, 相対運動 (肩に関しての両腕の運動および腰に関しての胴体あるいは両脚の運動)の考え方を導入し, 各部分の運動によって実際に生み出されたと考えられる鉛直方向の運動量および身体全体の鉛直総運動量に対する割合を算出ずると, 両脚が最も大きく, ついで, 胴体, 両腕の順となった. 2. 得られた結果から, 垂直跳の踏切において両脚は, 身体全体の鉛直運動量に大きく貢献しているように思われた. しかし, 他の部分もそのバイオメカニクス的特性に応じて身体全体の鉛直運動量を増大するように貢献していることが推測された. 3. 本研究で試みた映画撮影による身体運動における身体各部の貢献度の分析法は, 身体運動のバイオメカニクス的特性やスポーツ技術の検討のための基礎的知見を提供するのに役立つとみられる. しかし, 本研究で述べた方法のみでは, 外部に表われてこない各部のもつ潜在的な貢献度およびトレーニングや技術練習による貢献度の改善の可能性をとらえることはできないであろう.

収録刊行物

  • 体育学研究

    体育学研究 25 (3), 233-243, 1980

    一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会

被引用文献 (2)*注記

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