食行動を制御する臓器間クロストーク

  • 秋枝 さやか
    宮崎大学フロンティア科学実験総合センター
  • 伊達 紫
    宮崎大学フロンティア科学実験総合センター

書誌事項

タイトル別名
  • Cross-talk of Periphery with Central in Feeding Behavior
  • ショク コウドウ オ セイギョ スル ゾウキ カン クロストーク

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説明

生体は,日々のエネルギー摂取の変動にもかかわらず,一定の体重を維持するためのエネルギー恒常性機構を有している.エネルギーを獲得する唯一の方法である摂食行動は,空腹や満腹を伝える液性因子の情報が中枢に到達し,記憶,学習,認知,情動などの高次機能と統合され,神経ネットワークが作動することで巧妙に制御されている.さらに神経ネットワークからの出力は,末梢の代謝関連臓器である脂肪組織,骨格筋,肝臓,消化管などで行なわれる細胞レベルでのエネルギー代謝調節に寄与している.このように,生体が効率よくエネルギー恒常性を維持するためには,各臓器によるクロストーク機構が重要であるとの認識から,近年,多臓器間ネットワークによる代謝連関のメカニズムに関する研究が活発に行なわれている.ここでは,空腹や満腹シグナルとして機能するホルモンの中枢への伝達経路のひとつである迷走神経求心路に焦点をあてて,主に食行動における末梢と中枢の機能連関について解説する.

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 47 (11), 750-755, 2009

    公益社団法人 日本農芸化学会

参考文献 (34)*注記

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