新しい歯質表面処理剤(メタクリル酸メチル-p-スチレンスルホン酸共重合体)の合成と評価

  • 中林 宣男
    東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門
  • 本田 成道
    東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門

書誌事項

タイトル別名
  • Synthesis and Evaluation of New Tooth Surface Treating Agent(Methyl Methacrylate-p-styrene Sulfonic Acid Copolymer)

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説明

モノマーの歯質への浸透によらない新しい接着機構による歯質への接着性ライナーを探索する目的で, メタクリル酸メチル(MMA)とp-スチレンスルホン酸(SSA)との共重合体(MSポリマー)を合成し, これの歯質接着性に与える効果を調べた.すなわち, MSポリマーの10%水溶液を用いて歯質の表面処理を行い, 歯科用接着剤(4-META/MMA-TBB系レジン)を用いて牛歯とアクリル棒との接着試験を行った.その結果, MSポリマー水溶液の歯質に対する脱灰能力はかなり高く, 上記水溶液で表面処理したエナメル質に対する4-META-MMA/TBB系レジンの接着強さは燐酸処理のそれに匹敵した.また, MMA/SSA=2/1(モル比)の共重合体を用いて表面処理した象牙質にも, 4-META/MMA-TBB系レジンは接着することが分かった.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 6 (6), 873-876, 1987

    一般社団法人 日本歯科理工学会

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