CCDデジタルパノラマX線画像システムの至適撮影条件について

  • 松本 義之
    大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科放射線学専攻
  • 林 靖久
    大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科放射線学専攻
  • 四井 資隆
    大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科放射線学専攻
  • 板垣 恵輔
    大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科放射線学専攻
  • 川崎 靖典
    大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科放射線学専攻
  • 古跡 孝和
    大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科放射線学専攻
  • 古跡 養之眞
    大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科放射線学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of exposure conditions on digital panoramic dental radiography equipment with CCD receptors

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抄録

CCDセンサーを用いたデジタルパノラマ撮影システムを試用し, その臨床的な至適撮影条件の検討および, デジタルパノラマ(以下, デジパンと略す.)画像と従来の銀塩パノラマ(以下, パノラマと略す.)画像の肉眼的な評価を行った.デジパン, パノラマとも撮影装置はVeraviewepocsを, 被写体はX線撮影用頭部ファントムPB-1を用いた.撮影条件は管電圧:60, 70および80kVの3段階, 管電流:2から10mAの間で5段階(2mA間隔)に設定し, それらを組み合わせた計15条件で撮影したものについて, 6名の歯科放射線医によって評価を行い至適撮影条件を求めた.なお, 評価は臨床使用に最も適した画像を5, 使用不可なものを1として5段階で判定した.実際の観察ポイントの識別の容易さを調べるために, 至適撮影条件のデジパン画像とパノラマ画像とを用いて評価を行った.観察対象は解剖学的指標17箇所, および病変様像3箇所のあわせて20箇所で, 6名の歯科放射線医によって, 解剖学的指標の識別の容易さを尺度とした5段階評価で行った.最も評価が高かった管電圧, 管電流の組合せはデジパン画像:70kV, 8mA, パノラマ画像:70kV, 6mAであった.デジパン画像は管電流が8mA以上ではコントラストの低い画像となり, 評価値の低下がみられた.パノラマ画像では管電圧が60kVでは管電流が増すに従い評価値も高くなる傾向がみられたが, 80kVでは4mAが最も評価値が高く, 管電流が増すと評価値が低下した.デジパン画像では側頭骨頬骨突起, 上顎骨頬骨突起および眼窩下縁などが, パノラマ画像では下顎管壁や歯根膜腔などが高い画像評価を得た.今後はデジパン画像の画像特性を十分把握し, 臨床症例の読影経験を積むことによって, デジパン画像の診断精度はパノラマ画像と同レベルあるいはそれ以上になるものと考えられる.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 63 (1), 33-37, 2000

    大阪歯科学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (7)*注記

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