4-nitroquinoline 1-oxide誘発ラット舌癌細胞におけるp 27<sup>Kip1</sup>の分解

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  • Changes of p 27<sup>Kip1</sup> in rat tongue carcinoma cells induced by 4-nitroquinoline 1-oxide

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抄録

4-nitroquinoline 1-oxide (4 NQO)化学刺激誘発によるラット舌癌モデルでの細胞周期関連タンパクの変化を,免疫組織化学およびWestern blottingにて検索した.その結果,腫瘍細胞では正常細胞に比較してcyclin D1 cyclin EおよびCDK 4の発現が増大し,p 27Kip1は減少することが明らかになった.p 27Kip1のC末端認識のC-19ポリクローナル抗体およびN末端認識のN-20ポリクローナル抗体を用いたimmunoblottingから,p 27Kip1の分解はN末端側におこっていることが判明した.また,ubiquitin依存性タンパク分解の関与を検討するため,培地中にubiquitinおよびproteasome inhibitorを添加して4 NQO誘発癌細胞を培養した.この細胞抽出液をC-19でimmunoblottingすると,polyubiquitin化を示す梯子状のマルチバンドが観察された.このマルチバンドはproteasome inhibitorを添加していない試料ではみられなかったことから,ubiquitin-proteasomeタンパク分解系が4 NQO誘発ラット舌癌のp 27^<Kip1>分解に大さく関与していると結論された.cyclin D1, cyclin E,およびCDK 4の増加とp 27Kip1の減少は,細胞を休止期から進め,癌化に大きく関与すると考えられた.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 66 (1), 32-38, 2003

    大阪歯科学会

参考文献 (17)*注記

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