咀嚼運動における大脳皮質の賦活部位に言語優位半球が及ぼす影響

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タイトル別名
  • Influence of the language dominant hemisphere on the activation region of the cerebral cortex during mastication
  • ソシャク ウンドウ ニ オケル ダイノウヒシツ ノ フカツ ブイ ニ ゲンゴ ユウイ ハンキュウ ガ オヨボス エイキョウ

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抄録

本研究では, 咀嚼運動における大脳皮質の賦活部位に言語優位半球が及ぼす影響を検討し, 咀嚼運動中枢を検索することを目的とした.被検者として脳障害の既往が無い健常有歯顎者12名(男性7名, 女性5名, 22&acd;34歳, 平均28.6歳)を選択した.習慣性咀嚼側の判定には被検者の自覚と, 低粘稠性発色ガムを用いて咀嚼能力を測定した.咀嚼能力は右側もしくは左側にて発色ガムを50回咀嚼させた後, 分光測色計にてガムの両面を各5回計測し, 計10回のa^*の値の平均値を代表値とした.そして, a^*の値が高い側を習慣性咀嚼側とした.本研究では被検者の自覚と咀嚼能力の高い側が一致した被検者を選択した.fMRIの撮像には1.5 T臨床用MR装置を用いた.撮像方法はマルチスライスEPI法であった.言語優位半球を同定するため, しりとりタスクを行った.しりとりタスクは安静時間40秒間としりとり時間40秒間を3回繰り返し行わせた.ただし, 初回安静時のみ50秒間とし, 計4分10秒間のタスクとした.咀嚼運動は右咬みタスク, 左咬みタスクとした.各タスクは咬頭嵌合位にて上下顎の歯を軽く接触させ, タスク側の咬筋を等尺性に収縮させるように指示した.タスクは安静時間30秒間と咀嚼時間30秒間を4回繰り返した.ただし, 初回のみ安静時間を40秒間とし, 1タスク計4分10秒間とした.fMRI画像の解析にはSPM99を用い, 統計処理にはpaired t-検定を選択した.p<0.001とし, 連続したボクセルが20以上連続している部分を結果として表示した.被検者の習慣性咀嚼側は, 右側8名左側4名となった.また, 言語優位半球は10名が左側, 1名が右側, 1名が明瞭な言語優位半球を認めなかった.言語優位半球が左側の被検者において右咬みタスクおよび左咬みタスクでは, 賦活は左側もしくは両側に認めた.言語優位半球が右側の被検者において賦活は両側に認めた.以上のことから, 咀嚼運動による大脳皮質賦活部位は言語優位半球側を必ず含み, 言語優位半球と関連があることが明らかとなった.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 68 (1), 111-119, 2005

    大阪歯科学会

参考文献 (21)*注記

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