歯列弓形態の分類その2 : 下顎歯列弓

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タイトル別名
  • Principal component analysis of mandibular dental arches
  • 歯列弓形態の分類(2)下顎歯列弓
  • シレツ キュウケイタイ ノ ブンルイ 2 カガクシレツ キュウ

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抄録

下顎歯列弓の形態分類を行い, 各形態別の特徴ならびに分類基準を明らかにすることを目的として, 下顎歯列弓形態決定に影響を及ぼしている因子について検討した.大阪歯科大学口腔解剖学講座所蔵の歯列石膏平行模型396例中形態分類を行った上顎歯列弓の対合下顎歯列弓53例を用いた.肉眼的にThompsonの分類により, 方形, 帯円方形, 帯円形, 帯円V字形の4型に分類し, 歯列弓を写真撮影して等倍でプリントした.歯列上の計測点を写真上に黒点を付して表し, ノギスと分度器を用いて計測した.歯列弓上で設定した計測項目が形態上の特徴にどのような影響を及ぼしているかを主成分分析により検討した.分類の内訳は帯円方形が36例で67.9%, 方形が11例で20.8%, 帯円V字形が6例で11.3%, 帯円形が0例であった.前歯列の彎曲の度合を示す(A-B)(C_R-C_L), 180°-∠(C_R-A-C_L), (A-E)(C_R-C_L), また歯列の帯円度を示す前歯一P歯移行部動径差(rθ5-rθ4)_R+(rθ5-rθ4)_Lで有意差が認められた(一元配置分散分析(One-factor ANOVA), Kruskal Wallis test, 多重比較検定(Scheffe's procedure)).主成分分析で下顎歯列弓形態は上顎同様前歯部の彎曲度合, 前歯部から臼歯部への移行部の形態, 歯列弓の長さの3つの成分に集約できたが, 歯列弓の長径と幅径の比率については形態間の有意差が認められなかったため, 形態間の有意差があった前歯部の彎曲の度合, 前歯部から臼歯部への移行部の形態が下顎歯列弓形態決定に影響を及ぼしている因子であることが示された.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 68 (2), 189-198, 2005

    大阪歯科学会

参考文献 (30)*注記

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