埋立地に造成された照葉樹環境保全林のリターフォール量の年変動と季節変化

書誌事項

タイトル別名
  • Annual and seasonal changes in litterfall of an evergreen broad-leaved environmental protection forest created on reclaimed land
  • ウメタテチ ニ ゾウセイ サレタ ショウヨウジュ カンキョウ ホゼンリン ノ リターフォールリョウ ノ ネン ヘンドウ ト キセツ ヘンカ

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抄録

川崎市の埋立地に造成された約6haの環境保全林で,リターフォール量を定期的に7年間調査した。林内に調査区(10m×10m)を2区(非間伐のA区,間伐のB区)設定した。B区の伐採率は立木本数40%であった。年間の全リターフォール量はA区では平均7.64t・ha^<-1>(5.73〜8.51t・ha^<-1>),B区では平均6.68t・ha^<-1>(4.81〜8.49t・ha^<-1.)であった。また,年リターフォール量の中で,落葉の占める割合はA区では63.0〜85.8%,B区では73.4〜85.6%で最も高かった。A区においてはタブノキが落葉量の34.2〜59.8%を占め,次いでスダジイ,ホルトノキの順となり,B区では,タブノキが48.5〜73.0%,次いでホルトノキ,スダジイの順になっている。本数を40%間伐しても,落葉量は3年後には非間伐区とほぼ同じ値になった。落枝量は,B区よりA区で多く,B区は年度による変動が大きかった。生殖器官は,主にスダジイの花とアラカシの堅果であった。リターフォール量の季節変化は,5月に急激に増大し,晩夏の9月まで高いという天然生の照葉樹林と同様な特徴を示した。また間伐しても,落下季節パターンには影響がないことが明らかになった。落枝量は,落葉量のような明瞭な季節変化を示さず,台風や強風によって増大した。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 45 (1), 7-12, 2003

    森林立地学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (17)*注記

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