各種前処理剤が光重合型コンポジットレジンの歯質接着性に及ぼす影響

DOI
  • 二階堂 徹
    東京医科歯科大学歯学部第一歯科保存学教室
  • 細田 裕康
    東京医科歯科大学歯学部第一歯科保存学教室
  • 永田 勝久
    東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門
  • 中林 宣男
    東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Various Pretreatment Solutions on Bonding of Photocurable Resin Composite to Tooth Substrates

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抄録

各種前処理剤によって処理した象牙質およびエナメル質に対する光重合型コンポジットレジンの接着性を検討した.前処理剤としてpH7.4に調製した0.5M EDTA 2Na[EDTA5-0(Na)], 0.3M EDTA 2Na-EDTA Fe・Na[EDTA3-2(Na/Fe)], 0.5M EDTA 2NH_4[EDTA5-0(NH_4)]および0.3M EDTA2 NH_4-0.2M EDTA Fe・NH_4[EDTA3-2(NH_4/Fe)], さらに10%クエン酸(10-0), 10%クエン酸-3%塩化第二鉄(10-3), 65%リン酸(H_3PO_4)を用いた.その結果, 象牙質ではEDTA3-2(Na/Fe), EDTA3-2(NH_4/Fe)および10-3で前処理したとき高い接着強さが得られることがわかった.一方, エナメル質に対しては, H_3PO_4が最も高い接着強さを与えた.これらのデータから象牙質に対する接着においては前処理剤に含まれる鉄イオンが明らかに影響を及ぼしていること, エナメル質に対する接着においては前処理剤の脱灰力の大きさが大きく影響を与えることがわかった.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 10 (3), 410-415, 1991

    一般社団法人 日本歯科理工学会

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