南アルプス亜高山帯針葉樹林の齢構造と更新過程

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タイトル別名
  • Age structure and regeneration process of a subalpine couiferous forest in the south Japanese Alps, Central Japan
  • ミナミアルプス アコウザンタイ シンヨウジュリン ノ レイ コウゾウ ト コウ

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抄録

1982年の台風10号により,南アルプス仙丈ケ岳の北東斜面に成立したシラビソ,オオシラビソが優占する極相状態の亜高山帯針葉樹林が壊滅的被害をうけた。被害は本数割合で95.6%の林木が枯死した。枯死木の54.0%は幹折れであり,残りは根返り木であった。枯死木について年輪解説を行い,林分の更新過程を調べた。齢分布は,90年以下,90年から180年,180年以上の3つの齢グループに分かれた。最高齢はトウヒの286年であった。また年輪データの解析から,同調的に生じる顕著な直径成長の増加が幾度もみられ,本林分は幾度も小規模の攪乱を受けていたものと考えられた。これらの攪乱のなかで約200年前と約100年前に生じた攪乱に関係して,多くの稚樹が更新したものと考えられた。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 36 (1), 28-35, 1994

    森林立地学会

被引用文献 (1)*注記

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