チタンのキャラクタリゼーションと生体内での遅れ破壊

  • 淺岡 憲三
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体材料工学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Characterization of titanium and its delayed fracture in vivo

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説明

チタンの医用デバイスにおける遅れ破壊の機構をマイクロメカニクスの立場から紹介した.酸素と水素がチタンのキャラクタリゼーションに及ぼす影響をマクロとミクロの立場から議論した.とくに,水素はチタンの微視組織と性質に大きな影響を及ぼす.水素濃度が固溶限を越えると水素化チタンが形成される.水素化物に変態するとチタンの体積が膨張する.水素化物は表面から結晶の粒界に沿って内部に形成され,引張の外力が作用すると水素化物に亀裂が生じる.この亀裂は水素と関係した応力腐食割れの機構により進展し,遅れ破壊を生じる.純チタンの疲労試験とフッ素イオン含有溶液中での引張応力負荷実験から,この現象を検証し,応力腐食割れがチタンの遅れ破壊の原因であることを明らかにした.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 26 (4), 334-339, 2007

    一般社団法人 日本歯科理工学会

参考文献 (25)*注記

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