明治以降の東京下町における亀島河岸の歴史的変遷に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Historical Evolution of the Riverside Common Space "Kashi" at Kameshima-kashi in Downtown, Tokyo after Meiji Era
  • メイジ イコウ ノ トウキョウ シタマチ ニ オケル カメシマ カシ ノ レキシテキ ヘンセン ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本稿は、東京下町における亀島川に隣接する共有空間として、江戸期に創設された亀島河岸について、近代化以降の変遷を明らかにすることにより、都市における緑地の創出と持続的維持について論じたものである。明治維新を迎え、近代化が進む中、兜町には株取引所が創設され、茅場町は商業の中心となり、日本橋川の下流は海運に恵まれていたため、着目された。南茅場町、亀島町の地先河岸であった亀島河岸の変遷を、1筆ごとの河岸の原点から、土地利用と土地所有の視点を用いて、まちとのかかわりに着目し、隣接する茅場河岸、霊岸河岸を対照させながら、特質を分析した。亀島川と亀島河岸は江戸期以来現代まで残存し、残存する河岸地は、東京において親水性のあるコモンスペースの創出に、きわめて貴重な公有地である。しかし、東京オリンピック以降、河岸地は維持すべき基本財産としての意味が失われ、都市計画で緑地として位置づけられていない状態である。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 46 (1), 43-48, 2011

    公益社団法人 日本都市計画学会

参考文献 (32)*注記

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