森林土壌における硝化活性の広域的簡易評価に関する総説

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タイトル別名
  • Regional evaluation of nitrification activity with easily measured factors : a review

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抄録

森林土壌における硝化活性を広域的にかつ簡易に予測できれば森林管理計画の立案に大きく寄与しうる。本稿では硝化活性の地域的なばらつきを測定が容易な理化学的土壌特性や既往の地理情報から予測した既往の研究をレビューした。予測変数である硝化活性の変動幅が大きいほど,多くの場合は対象域が広いほど,多変量回帰モデルの有効性は高かった。名義変数を用いた地理情報,例えば,土壌型,優占樹種,母材では連続変数である理化学的土壌特性に比べて硝化活性の予測精度は低かった。しかし,1,000km^2程度の流域スケールにおける硝化活性の変動であれば,地理情報だけでも予測できた。地理情報は硝化活性に連関する立地環境条件を良く表現するものの,利用可能なデータの空間的解像度は必ずしも十分ではない。しかしながら,有力な予測変数である土壌型や優占樹種は地形と強い関わりがあるため,地理情報の不十分な地域に関しては,デジタル標高データ(DEM)を用いた地理解析的アプローチを適用することで地理情報データの欠損を補完できる可能性がある。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 50 (1), 1-8, 2008

    森林立地学会

参考文献 (56)*注記

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