書誌事項
- タイトル別名
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- Chemical Properties of Surface Soil in Relation to the Quantity of Stemflow, Throughfall and Litter in a Mixed Forest of Japanese Cedar (Cryptomeria japonica) and Beech (Fagus crenata) Trees
- スギ ラクヨウ コウヨウジュ コンコウリン ノ ヒョウソウ ドジョウ ノ カガクセイ ニ オヨボス ジュカンリュウ リンナイウ オヨビ リター ノ エイキョウ
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説明
秋田地方のスギと広葉樹の混交林において,スギとブナの養分動態の違いが表層土壌の化学性におよぼす影響を比較検討した。調査地内のスギの樹冠下ではスギの本数割合が高くなるにつれて土壌に供給されるスギのリター量が多くなった。そのためO層にカルシウムを主とする多量の塩基が蓄積し,土壌表層部の塩基飽和度が高くなり,土壌pHは上昇した。一方,ブナ樹冠下ではスギ樹冠下と同様に全炭素量は高くCECが大きいものの,単位面積あたりのリターからのカルシウム供給量が少ないため,土壌表層部の塩基飽和度は低く,pHは強酸性を示した。スギの樹幹流のpHは4.3の強酸性であったが,樹幹流として土壌に供給される量は32kg m^<-2>と少なく,降雨よりもpHが5.6と高い林内雨の方が1,134kg m^<-2>とはるかに多く土壌に流入していた。林内雨と樹幹流から供給されるカルシウムやマグネシウムは,スギおよびブナ樹冠下のO層および土壌の蓄積量に比べて著しく少なかった。ただし,カリウムはブナ樹冠下では樹幹流と林内雨から供給されるO層の量より多かった。このように混交林の上層を構成するスギとブナの養分動態の違いが土壌表層部の化学性に影響を与えており,林内雨や樹冠流よりも混交林を構成する樹種や密度が表層土壌の化学性に重要な影響を及ぼしているものと判断された。
収録刊行物
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- 森林立地
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森林立地 49 (2), 93-101, 2007
森林立地学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204212897536
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- NII論文ID
- 110006976773
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- NII書誌ID
- AN00124077
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- ISSN
- 21896275
- 03888673
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- NDL書誌ID
- 9342609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可