八ヶ岳連峰における高山矮性低木キバナシャクナゲとハクサンシャクナゲの群落構造と成長量の比較

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タイトル別名
  • Comparison of community structure and growth between the alpine dwarf shrubs Rhododendron aureum and R. brachycarpum on the Yatsugatake range, central Japan

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抄録

日本の高山帯に生育するキバナシャクナゲとハクサンシャクナゲの標高に沿った分布は最終氷期以降に形成されてきたと見られる。本研究ではハヶ岳連峰において,2種の生育特性を比較し,分布が重なる場所での競争関係について調査した。ハクサンシャクナゲの方がキバナシャクナゲに比べ,葉群をより上層に広げるとともに,シュートや個葉をより水平に展開するために,光を効率よく獲得できていることが,生産構造図によって示唆された。ハクサンシャクナゲのC/F比は純群落では6.52あるのに対し,2種が混生しても5.99とほぼ同じ値であった。一方キバナシャクナゲは純群落で2.50,混生群落では0.77と大きく減少した。混生群落のキバナシャクナゲは十分に光を得られないため,年輪幅が純群落の約半分となり,葉数も減少していた。これらの結果はハクサンシャクナゲが物質生産の上で優位であることを表している。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 48 (2), 77-84, 2006

    森林立地学会

参考文献 (13)*注記

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