白癬:診断と治療ガイドラインへの一つの提案

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タイトル別名
  • Dermatophytosis: A Summary of Dermatomycosis as a Proposal for Future Revision of the Guidelines
  • ハクセン : シンダン ト チリョウ ガイドライン エ ノ ヒトツ ノ テイアン

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説明

皮膚真菌症 (白癬) の日本におけるガイドラインが発表されたのに伴い,国内外の4教科書について,白癬の病型と治療を中心にまとめた.日本では,黄癬,渦状癬を除く皮膚糸状菌症を白癬としているが,外国では黄癬,渦状癬を白癬の中に分類している.頭部白癬は,頭部浅在性白癬とケルスス禿瘡を含めて分類し,無症候性キャリアも含める傾向がみられた.生毛部深在性白癬や白癬性肉芽腫は,体部白癬の一亜型に分類する教科書が主である.また顔面白癬を,特異な臨床像を呈することが多く,誤診されやすいことに注目し体部白癬と区別している.爪白癬は爪真菌症の一部として位置付けている.これらの記載を基に,われわれの分類案を示した.<BR>白癬の治療においては,頭部白癬では,イトラコナゾール (ITZ) ,テルビナフィン (TBF) の小児への安全性が確立されていない点が問題である.足白癬では,内服療法併用のための足白癬の重症度基準の作成が必要である.爪白癬では,多くの臨床試験が発表されたが,3教科書は,ほとんどは製薬会社が行ったものであると明記している点が印象的であった.さらに,爪白癬の発症機序,重症度の研究が望まれる.今後のガイドラインの改定において,一つの提案としてまとめた.

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