市街地形状と鉄道網の連携度に関する世界大都市間比較分析

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タイトル別名
  • Comparative Study of the Degree of Linkage between City Shape and Railway Network among Worldwide Major Cities

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抄録

本研究では,Landsat衛星画像を分類することによって,都市毎の市街地変化を,また,OSM地図データから,鉄道網の時系列変化を計測し,都市間の比較を行った.先進国の大都市では1985年以降市街地拡大が少ない一方,新興国や途上国での急速な市街地拡大によって都市形状が顕著に変化したことや,都市毎の鉄道路線整備に差異が見られることを明らかにした.次に,市街地拡大による移動時間増加と鉄道網整備による移動時間短縮効果に着目して市街地形状と鉄道網との連携度および短縮度の指標を定義し,鉄道網の充実度との対比を行った.公共交通が発達したロンドンと東京は連携度が高く評価された一方,中国三大都市では,市街地拡大が郊外部まで広がったため連携度が低いレベルにあることなどが明らかになった.そして,コンパクト化寄与地区の分析から,平均移動時間を短縮する意味では中心市街地がコンパクト化寄与地区となるが,連携度指標が高いという意味では,鉄道網沿線や鉄道網が整備された郊外部の市街地がコンパクトな市街地形成に寄与できることを明らかにした.

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 52 (1), 34-41, 2017-04-25

    公益社団法人 日本都市計画学会

参考文献 (3)*注記

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