タイにおける2004年インド洋津波被災後の復興過程に関する考察と建物復興曲線の構築

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration of Recovery Process and Development of Recovery Curves for Buildings in Thailand after the 2004 Indian Ocean Tsunami
  • タイ ニ オケル 2004ネン インドヨウ ツナミ ヒサイゴ ノ フッコウ カテイ ニ カンスル コウサツ ト タテモノ フッコウ キョクセン ノ コウチク

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抄録

2007年3月現在のタイにおける復興調査を実施した。そこでの調査に基づき、本論文は、プーケット県およびパンガー県の住宅復興状況、復興施策の地域における特徴、および問題点について報告している。研究の結果、1) 観光地優先の復興施策による一般被災者への負担、2) 被災規模の違いによる支援の格差、3) 住宅供給規制を逆手にとった恒久住宅の多重取得者の存在、4) 居住権の不正取引、5) 仮設住宅に住み続けなくてはならない土地非所有者の住宅再建、6) 住宅支援のための改宗、そして7) 自立再建を支援する施策の不在(融資等)、などの問題が明らかになった。また、調査により得られた恒久住宅の建設状況のデータを用いて、復興過程を客観的に記述するための復興曲線を構築し、プーケット県とパンガー県の住宅再建過程の相違を定量的に示すことができた。2004年スマトラ沖津波では、地域の状況や被災規模に応じて様々な復興施策がとられている。ここで得られた建物復興曲線等を用いることによって、各地の復興過程を定量的に比較し、その背後にある施策等との関係を明らかにしていくこと可能である。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 43.3 (0), 745-750, 2008

    公益社団法人 日本都市計画学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (6)*注記

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