ナスのアントシアニン色素およびその遺伝

  • 阿部 幸頴
    日本大学三島高等学校および北海道立農事試験場十勝支場
  • 後藤 寛治
    日本大学三島高等学校および北海道立農事試験場十勝支場

書誌事項

タイトル別名
  • Biochemical and Genetical Studies on Anthocyanins in Eggplant
  • ナスのアントシアニン色素およびその遺伝〔英文〕
  • ナス ノ アントシアニン シキソ オヨビ ソノ イデン エイブン

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説明

ナス6品種の花•茎および果皮のアントシアン色素をペーパー•クロマトグラフイで調べた結果, ビルマ,仙台長1号, 真墨, 帯紫およびエメラルドの主色素は Nasunin にRf値が一致し, ブラツク•ビユーテイーの主色素は Delphinidin 3-glucorhamnoside と一致した。また, ビルマから分離した主色素はp-hydroxycinnamoyldelphinidin 3,5-diglucosideに更に rhamnose の結合したものであることが判った。<br>ビルマ×ブラツク•ビユーテイーの雑種第2代までの植物について茎および果皮の色素を調べたところ,同一個体内では果皮と茎との主色素は同一であり, F1植物はビルマ型組成をとり, F2植物ではビルマ型組成をもつものとブラツク•ビユーテイー型組成を示すものとが3:1の比で分離した。したがつて, 両色素の間の acylation と glycosidation に関する差異は一対の対立遺伝子の作用によると考えられる。

収録刊行物

  • 植物学雑誌

    植物学雑誌 72 (857-858), 432-437, 1959

    公益社団法人 日本植物学会

被引用文献 (3)*注記

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