属の鱗茎および種子に含まれる含硫アミノ酸およびγ-グルタミルペプチド

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タイトル別名
  • On Sulphur-Containing Amino Acids and γ-Glutamyl Peptides in the Bulbs and Seeds of <i>Allium</i> Species
  • Allium属の鱗茎および種子に含まれる含硫アミノ酸およびγ-グルタミルペプチド〔英文〕
  • Alliumゾク ノ リンケイ オヨビ シュシ ニ フクマレル ガンリュウアミノサン オヨビ ガンマ-グルタミルペプチド エイブン
  • On Sulphur-Containing Amino Acids and ^|^gamma;-Glutamyl Peptides in the Bulbs and Seeds of Allium Species

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抄録

我々の研究室では Allium 属から多くの新しいシスティン誘導体を単離し, そのあるものについては酵素による生成についても研究をおこなっている. 例えばタマネギの鱗茎のS-(Propen-1-yl)cysteine sulfoxide は, タマネギの酵素によって Propenylsulphenic acidを生成し, これが催涙因子であることが明らかになった. Cycloalliin は S-(Propen-1-yl)cysteine sulphoxide のアンモニア水溶液から生ずるが, アイソトープ実験の結果では, 後者は前者の前駆物質ではないらしい. この問題についてはさらに実験中である. またタマネギの鱗茎からは, 天然の thiazane 化合物としては最初の 3-Methyl-1,4-thiazane-5-rcarboxylic acid-1-oxide が単離された. γ-Glutamyl peptide は Allium 属の鱗茎および種子の特徴的な化合物であるが, アサツキ(A. schoenoprasum) の種子から最近単離した tripeptide は1分子中にグルタミン酸, および酸化型と還元型の S-(Propen-1-yl)cysteine を含む特異な構造をもつ点で注目に価する. 構造は, 酸および酵素による加水分解物をペーパークロマトグラフィーで同定して決定した. 構成アミノ酸はいずれもL型, 旋光度は〔α〕22D=+76.O (水), Rf値はブタノール•酢酸•水で0.54, フエノール•水で0.81である.

収録刊行物

  • 植物学雑誌

    植物学雑誌 79 (940-941), 506-509, 1966

    公益社団法人 日本植物学会

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