カサノリの原形質流動に関する二三の観察

書誌事項

タイトル別名
  • Some Observations of Protoplasmic Streaming in <i>Acetabularia</i>
  • カサノリの原形質流動に関する二三の観察〔英文〕
  • カサノリ ノ ゲンケイシツ リュウドウ ニ カンスル ニサン ノ カンサツ エイブン
  • Some Observations of Protoplasmic Streaming in Acetabularia

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抄録

ホソエガサ (Acetabularia calyculus) の若い主軸ではいわゆる多条型原形質流動がみられる. 本研究では, このような材料を縦にまたは横に遠心処理した際に, 流動原形質がどのように行動するかを遠心顕微鏡下で連続的に追跡し, またその回復過程をしらべた. 適度の遠心処理によって, 流動原形質と葉緑体は細胞の遠心端に集まるが,薄い外質層の内面に縦に平行に走るゲル状の細い線条は残る. 流動は常にこれらの線条に沿ってのみおこる. 遠心処理によってこれらの線条からはずれた部分は連続した糸となって一時的な液胞横断原形質糸を形成する. これらの糸は細胞外に遊離した原形質のつくる糸と運動に関して同様な行動をとる. 車軸藻類の細胞でくわしく観察された運動性繊維に対応すると思われる繊維構造は, まだカサノリ類では見出されていないが, この場合にもそのような運動性繊維の存在を仮定することによって種々の観察結果が理解される.

収録刊行物

  • 植物学雑誌

    植物学雑誌 79 (940-941), 706-713, 1966

    公益社団法人 日本植物学会

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