ネナシカズラ属の葉序

書誌事項

タイトル別名
  • Phyllotaxis of <i>Cuscuta</i>
  • ネナシカズラ属葉序〔英文〕
  • ネナシカズラゾク ヨウ ジョ エイブン
  • Phyllotaxis of Cuscuta

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抄録

ネナシカズラ, マメダオシ, ハマネナシカズラの胚は, うず巻き状に巻いた黄色の細長い棒状のもので, 根の方がやや太くなっている. 茎の生長点には, ネナシカズラでは4枚, マメダオシ, ハマネナシカズラでは2-3枚の微細なりん片葉をつけているが, 一般の双子植物にみられるような子葉と名つくべき特別な形の葉はない. また葉序も対生はみられず, 最初から開度 1/2 の2列互生葉序をもってはじまる. 発芽, 生長とともに 1+2 の交走斜列をもったらせん葉序になり, ネナシカズラ, マメダオシではさらに2+3の交走斜列をもった葉序にかわる. 一般の双子葉植物では, 初め2枚の子葉が対生し, ついで2列互生, やがてらせん葉序に移行するが, その際, 子葉の対生配列からすぐ2列互生に変わるものと子葉の次に若干の対生配列をへた後に2列互生に変わるものがあり, それぞれソラマメ型, インゲンマメ型と名づけられているが (Troll6)), ネナシカズラでは対生配列が省略され, 初めから2列互生で始まるわけであるから, このような型のものをネナシカズラ型 (Cuscuta-type) と名づけることにする.

収録刊行物

  • 植物学雑誌

    植物学雑誌 77 (909), 73-76, 1964

    公益社団法人 日本植物学会

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