部分浅耕播種法がコムギの品質・収量および播種の省力化に及ぼす影響

  • 川村 富輝
    朝倉農林事務所久留米普及指導センター 九州大学大学院生物資源環境科学府
  • 中野 恵子
    農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 光岡 宗司
    九州大学大学院生物資源環境科学府
  • 井上 英二
    九州大学大学院生物資源環境科学府
  • 岡安 崇史
    九州大学大学院生物資源環境科学府

書誌事項

タイトル別名
  • Effects on Partially Shallow Tilling and Sowing Method on the Quality and Yield ofWheat (<I>Triticum aestivum </I>L.) and Labor-Saving Cultivation
  • ブブンセンコウハシュホウ ガ コムギ ノ ヒンシツ ・ シュウリョウ オヨビ ハシュ ノ ショウリョクカ ニ オヨボス エイキョウ
  • Effects on Partially Shallow Tilling and Sowing Method on the Quality and Yield ofWheat (Triticum aestivum L.) and Labor-Saving Cultivation

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説明

部分浅耕播種が水田転換畑におけるコムギ作の生育・収量・品質に及ぼす影響および播種作業にかかる作業時間および燃料消費量について,慣行と比較検討を行った.得られた知見は以下のとおりである.<br>1) 部分浅耕播種したコムギは,慣行に比べて,出穂期に差は無かったが,成熟期は0~3日遅かった.稈長は同程度,穂長は長く,穂数は多い傾向にあった.収量は同程度~多く,千粒重に差は見られなかった.タンパク質含有率は高い傾向にあり,容積重は同程度∼やや重かった.<br>2) 部分浅耕播種によるコムギの収量・タンパク質含有率向上効果は,湿害傾向の圃場で大きく,湿害の発生していない圃場では小さい傾向にあった.部分浅耕播種の作土内土壌構造は,耕起部分では速やかに過剰水が排出される一方,作土内に排水用の間隙を多くもたない土壌構造が維持された.これがコムギの生育に有利に働いた可能性がある.<br>3) 部分浅耕播種は,播種作業にかかる作業時間と燃料消費量が,慣行に対してそれぞれ約 45%と 22~25%と大幅に削減できた.この要因は,部分浅耕播種が荒起しを省略できること,部分浅耕ロータリは耕起する土壌の断面積が小さく,ロータリ負荷が小さいためと考えられる.

収録刊行物

  • 農作業研究

    農作業研究 48 (3), 111-120, 2013

    日本農作業学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (22)*注記

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