既存添加物カンゾウ油性抽出物の成分組成の多変量解析に基づく基原植物種の検討

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タイトル別名
  • Determination of the Plant Origin of Licorice Oil Extract, a Natural Food Additive, by Principal Component Analysis Based on Chemical Components
  • キソン テンカブツ カンゾウ ユセイ チュウシュツブツ ノ セイブン ソセイ ノ タヘンリョウ カイセキ ニ モトズク キ ゲン ショクブツシュ ノ ケントウ

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抄録

既存添加物製品の基原植物の確認は品質や安全性確保の上から重要である.既存添加物カンゾウ油性抽出物(酸化防止剤)の基原として,既存添加物名簿収載品目リストにはカンゾウ属植物のGlycyrrhiza uralensis, G. inflataまたはG. glabraの根または根茎と記されているが,カンゾウ油性抽出物流通製品がどのカンゾウ属植物種の油性抽出物の成分組成に類似するかは確認されていない.本研究で,カンゾウ油性抽出物流通製品8検体をLC/MSにより分析した結果,7製品ではG. glabraに特徴的なglabridinが,1製品ではG. inflataに特徴的なlicochalcone Aが検出された.さらにこれら流通製品に加え,各カンゾウ属植物種の乾燥試料や市販のカンゾウ由来製品のエタノール抽出物など,計31検体をLC/MS(SIR)およびNMRで測定し,主成分分析(多変量解析)を行った結果,カンゾウ油性抽出物製品の基原種は主にG. glabraであると確認された.またNMR測定結果を用いる多変量解析が,既存添加物製品の基原種推定に有用かつ簡便な方法であることが示唆された.

収録刊行物

  • 食品衛生学雑誌

    食品衛生学雑誌 56 (5), 217-227, 2015

    公益社団法人 日本食品衛生学会

参考文献 (10)*注記

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