小型軽量チェンソーの開発とその身体負担

  • 杉下 悠
    愛媛大学連合農学研究科 ハスクバーナ・ゼノア株式会社
  • 山下 淳
    愛媛大学連合農学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Development and Physical Stress of Light Weight and Compact Chainsaw
  • コガタ ケイリョウ チェンソー ノ カイハツ ト ソノ シンタイ フタン

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抄録

本研究は,操作性に優れ,かつ身体負担が小さく,さらに作業能率に優れたエンジンチェンソーの開発を目的とした.先ず,その手始めとして剪定・枝払い作業に用いる小型軽量(排気量18.3ml, 最大出力0.65kW, 全装備質量2.5kg)チェンソーを開発した(A機).この設計に当たっては,エンジン単体の軽量化,機械の構造,部品配置も考慮した.その結果,標準装備の既存のB機に比して全装備質量で約500g軽量化できた.製品化に当たっては,モニター機調査や鋸断時間等について調査し,B機に比して遜色ない性能を有することを確かめた.また,小型軽量の効果を明らかにするため,スギ材を用いて作業高さ100, 150cmと2段階においてA機の枝払い性能を詳細に調べた.被験者の局所的負担として表面筋電図を測定した結果,A機はB機に比して上肢各筋群にかかる負担が軽減できることが示された.作業能率に関しては,機体質量,被験者毎の作業動作および作業姿勢や,エンジン性能が関与することが実験的に検証できた.また,全身的負担として酸素摂取量を測定した結果,150cm程度の作業高さになると機体質量小のA機の軽量化の効果が高くなると考えられた.

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参考文献 (14)*注記

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