千葉県北東部,中部更新統八日市場層における化石棲管連結ロッセリア : 地層形成と造営動物の反応

書誌事項

タイトル別名
  • Stacked Rosselia socialis from the middle Pleistocene Yokaichiba Formation, Chiba Prefecture, central Japan : Sedimentation and responses of Rosselia animal
  • チバケン ホクトウブ チュウブ コウシントウ ヨウカイチバソウ ニ オケル カセキ セイカン レンケツ ロッセリア チソウ ケイセイ ト ゾウエイ ドウブツ ノ ハンノウ

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抄録

千葉県北東部,中部更新統八日市場層下部層の細粒砂層から産出する化石棲管連結ロッセリアを調査し,その形成機構に関して次のような新知見をえた.連結ロッセリアは,生物擾乱の著しい細粒砂層とそれに挟まれたハンモック状斜交層理をもった細粒砂層から豊富に産出する.これらは,本来内側陸棚においてハンモック状シーケンスとして形成されたが,その後の様々な動物による生物擾乱作用の影響でこれらの2層に変化したものである.連結ロッセリアを構成する個々のセグメントの形態は漏斗型や紡錘型も認められるが,むしろ本論で新たに区分したコーン型が多く,これらが5cm〜10cm間隔で数多く上方に積み重なっている.これらの3つ形態の違いは,堆積作用進行時における堆積や侵食イベントの影響を受けたロッセリア動物の造棲管行動によって生じるものと考えられる.特に,筆者らが注目したコーン型セグメントの累重は,小規模な堆積作用の繰りかえしによって形成されるものと考えられる.また,このような小規模な堆積作用が継続すると,生物擾乱を受けた部分は厚さを増し,ハンモック状シーケンスの融合が起こると推測される.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 61 (2), 117-128, 2007

    地学団体研究会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (19)*注記

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