能登半島地震被害地の生活水(井戸水,涌き水,山水)の調査結果 : 地震災害時の迅速な指導と指示(<特集>2007年能登半島地震 その1)

書誌事項

タイトル別名
  • Lifeline of Drinking Water while the Noto Hanto Earthquake in 2007 Struck the Noto Peninsula, Ishikawa Japan : What do we do quickly?(<Special Issue>The Noto Hanto Earthquake in 2007 (Part1))
  • 能登半島地震被害地の生活水(井戸水,涌き水,山水)の調査結果--地震災害時の迅速な指導と指示
  • ノト ハントウ ジシン ヒガイチ ノ セイカツスイ イドミズ ワキミズ サンスイ ノ チョウサ ケッカ ジシン サイガイジ ノ ジンソクナ シドウ ト シジ

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抄録

2007年3月25日9時41分にマグニチュード6.9の地震が石川県能登半島を襲った.その折,水道が断水し,住民は周囲の井戸水,湧き水,山水を生活水として使用した.その水は地震直後から白色,灰色,茶色に濁り,2-3日から2週間続いた.本研究は被害地の住民からの聞き取り調査,現地における水質検査,採水試料を実験室に持ち帰り,蛍光X線分析,イオンクロマト分析,走査型電子顕微鏡観察を行った.地震前は中性であった井戸水が地震後にpH5.4-5.9と酸性になり,かつ, SO4が非常に高くなり飲料不可となった.一方,中性であった温泉水がpH8とアルカリ性に変化し, NaCl含有量が高くなり,海水の浸入を示唆した.また,飲料水の6項目についての検査を行政に依頼したところ, 2箇所の水から基準以上の一般細菌と大腸菌が見つかり飲料不可となった.なお,この検査項目にはpHが含まれていないので,今後,災害時にはいち早く生活水についてpHや集落形成単位(CFU)を含めた水質検査が必要である.さらに,避難所における生活水はノロウィルスなどによる病気と直結しているため,行政による迅速な措置と指導が必要である.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 61 (4), 281-292, 2007

    地学団体研究会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (13)*注記

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